top of page

078_反対

「京都の芸大生(卒業生)です」と名乗り始めてから、「京都芸術大学?」と何度も聞かれた。「京都造形芸術大学です。笑」と、少し照れた気持ちでいつも答えた。なんだか長くて、他にも京都の名前のつく芸大がある事がややこしいよな、と思いながら。だけれど、愛着を常に持っていた。答えると、話し相手は「ああ、造形大ね」と理解してくれて、興味を示してくれた。

「京都芸術大学」になったなら、もっとややこしくなる。略称が「瓜芸」「KUA」になるとか、誰が「瓜芸」は瓜生山学園=京都芸術大学と気づくのだろう。「KUA」Designはどこにいったのだろう。 私の憧れた「京都造形芸術大学」は、他の芸大美大とは少し違って、個々に個性的な濃い印象ではなく、それぞれの分野がそれぞれに共感しながら共存しているように見えていた。格好良く見えた。 意見を述べるだけの芸術でないものを学べる大学だと思っていた。述べるだけじゃなく、理解してほしいとお願いするだけじゃなく、意見や思いを聞いたりして、それを踏まえた上の表現。 沢山のリアルワークプロジェクトもある。社会で実際に活動や仕事をされてる方々と共に、その方々が何を考えて、何を望んで、芸大生に発注しているのか。大学が大学の外の声を聞けないのに、今後一緒にやってくれるところがあるのか。

ただただ悔しい。名称を変えるだけのことなのに、悲しく悔しい、という気持ちになります。


卒業生/舞台芸術学科 舞台デザインコース、7期生

bottom of page